慣れてしまえば暇な作業なので、自然と僕たちは少しずつ話すようになったのだが、彼はターミネーターとは違う意味で、なかなか危険な男だった。
彼は日々を妄想と戦っているようで、基本的に誰かに追われている様子なのだ。終始周りに目を光らせている雰囲気がターミネーター的に映ったのかもしれない。
本人いわく部屋に盗聴器が仕掛けられているらしく、なぜかはわからないが工場長に盗聴されているという。
話を冷静に聞いていると、どう考えてもそんなことはないのだけど、彼は僕の隣で高速でハムに紐をかけながら、盗聴されていることを熱く訴えるのだった。
(次回へ)