2013年9月26日木曜日

味覚のタイムカプセル

ひさびさにメルマガを書いている。
まだ完成してない上に、他人事っぽく書いてしまってあれだけど、きっと明日か明後日ぐらいには配信できるのではなかろうか。。ご期待ください。

それとは関係ないのだけど、個人的にささやかなニュースがあるのです。

なんと、なんと、今日の僕のお弁当には混ぜご飯が入っているのである!!!


【味覚の季節】

そうなのだ。いつかの混ぜご飯を冷凍したものを今朝、解凍したのだ。

最近はPCでの作業が多いので、液晶画面に向かいながら、音声ファイルの圧縮→解凍、圧縮→解凍の毎日である。
しかし、当たり前だけど液晶の中なので、冷凍食品を解凍するときのように湯気や匂いは出てこないのだ。解凍するといい匂いが出てくるアプリとかあったらいいですね。

そんなことはさておき、今は混ぜご飯の話だった。

さすがに真っ白なご飯一つ一つを凍らして並べても、ルックスがどれも同じなので、それぞれを冷凍庫に入れた時の記憶とかはあまりない。

でも混ぜご飯の夜は覚えているし、その日のことや、その日に考えていたことなどを少しずつ思い出したりする。もちろん口の中に入れれば、そのときと同じ味がするに違いない。

そのとき、僕はふと気付いてしまった。

「つ、つ、つ、つまりこれはタイムカプセルではないか!」


【月に囚われた混ぜご飯】

お弁当は基本的に持ち歩き、自分の好きな場所や許された場所で食べるものだけど、お弁当にとってはこれはもう時空を超えた大変な大移動なのかもしれない。

想像してみよう。

例えば公園のベンチに座るとする。
カバンまたは袋からお弁当を取り出して、その蓋をあける。蓋の左右のプラスチックの留め具がカチャと音を立て、中から空気が溢れてくる。
そこにはタイムカプセルが眠っている、いや、今この瞬間に目を覚ましたのだ。

タイムカプセルを箸でつまみ、口に入れる。目で思い出し、匂いで思い出し、舌で思い出し、胃で思い出す。

この味、この感じ、僕の体を通っていったのは、何週間前だろう。

あの夜、僕の中で粉々になった混ぜご飯はさらに何かの細かい粒子になって、目に見えないパワーとかになって、細胞に生まれ変わって、うんことかにもなったりして、とにかく彼らはかつて僕の一部だったのだ。


【そんなことより】

それにしてもうまい。さすがは味覚の秋である。

僕は混ぜご飯に今の気持ちを聞いてみたくなった。
例えば自分がもし、この混ぜご飯だったらどんな気持ちになるのだろうか。

混ぜご飯にしてみれば彼らの最後の記憶はジャーの中なわけで、冷凍保存されて(映画『月に囚われた男』みたいに)、こんな場所で目を覚ますなんて考えてもみないだろう。彼らからしたら、今この瞬間がジャーの世界の続きなのだ。

______ゆっくりと目を開く。次第に視界が明るくなり、秋晴れの真っ青な空が見える。あれ、、さっきまで暗いジャーの中だったはずだけど、、ここはいったいどこだろう。こちらを覗き込んでる顔はさっきジャーから覗いてた顔と同じだけど、なんだか一瞬にしてやつれた気もする。ここはいったいどこ?______


そして、僕は不安でいっぱいの混ぜご飯に話しかける。

混ぜご飯よ。タイムカプセルから目覚めた混ぜご飯よ。

大丈夫、何でもないよ、と僕は君に言いたい。
君が少し目をつぶってる間にいい曲ができたんだよ。と感謝を伝えたい。

いつかの君が僕の中で細かい粒子になって、目に見えないパワーになって、もしかしたら涙にもなったかもしれない。
とにかく、僕の何かに生まれ変わって、やっぱりうんこにもなって、そして僕のメロディーになったのだと。

だから、混ぜご飯、この前はどうもありがとう。今日も心して頂きます。

そして、また近いうちに会いましょう。
(↑まだ一つ冷凍してあるので)